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昭和残侠伝 破れ傘のrumblefishのレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 破れ傘(1972年製作の映画)
3.7
舞台は郡山。天神濱組主催の花会でコケにされた寺津組。
安藤昇演じる寺津力松は、兄弟盃を交わした花田秀次郎も加勢して天神濱組へと殴り込み、勝利する。
寺津は会津の鬼首組の親分の妹を娶り、鬼首組を後ろ盾に得る。天津濱組を潰そうと激化する抗争は、新潟の鶴田浩二演じる時雨の親分の仲介で一旦手打ちになりかけるが、手打ちを望まない鬼首に寺津とその妻が殺される。
鬼首の親分は山本麟一。鬼首の狙いは寺津組から花会の仕切りを奪い郡山を牛耳ることだった。秀次郎と天津濱組に戻った重吉が鬼首組に殴り込む。

鬼首の手下が天神濱の子分を殺して、その恋人の檀ふみを輪姦そうとしたり、鬼首が寺津に嫁がせた妹を自身のたくらみの捨て駒にして刺殺したり、実録ものの萌芽を感じた。

お栄さんを風間重吉が一文字に切ってしまうところは悲しい。
あと、北島三郎演じる銀二郎。かつて世話になった時雨の親分を渡世の仁義で切らねばならないところも悲しい。
“親分、こいつドスを持っちゃいませんぜ”

秀次郎と二人で温泉につかり、サブちゃんが歌うお楽しみのシーンも。
秀次郎“おめえ、ばくちは下手だけど、歌はうめえな”
銀二郎“そうでしょう!”