みおこし

ボディ・バンクのみおこしのレビュー・感想・評価

ボディ・バンク(1996年製作の映画)
3.4
ニューヨークの病院で働く医師ガイのもとに、激しい発作に苦しむ急患が運ばれてくる。健闘も虚しく患者は息を引き取るが、常軌を逸した苦しみ方を不審に思い、付けていたリストバンドを元にガイは捜査を始める。謎の人物の妨害も受けながらたどり着いた先はとあるホームレスの居住区だった...。

ヒュー・グラントとジーン・ハックマンという、個人的にたまらない取り合わせ!しかし、ヒュー様作品には珍しく医療、そして生死の倫理観などかなりシビアなテーマが詰まった1本でした。
不可解な医療記録を発見したことで、医療現場の裏に潜む衝撃の事実を解き明かしていくガイ。強大な権威に立ち向かうというのはどんな場合でも恐ろしいことですが、本作はあまりにぶつかっていく相手がでっかすぎて終始ヒヤヒヤ。しかもデヴィッド・モース、ビル・ナン、J・K・シモンズなど一癖も二癖もある俳優さんが脇を固め、さらにジーン・ハックマンという最強の大御所がいる時点で登場人物の誰一人信用できないのですが、主役のヒューはラブコメの軽いイメージが強いから、余計に「気をつけて!やりすぎないで!」となっちゃいました(笑)。
その黒幕に対峙した時に明かされる事実はかなりショッキングな内容。ネタバレになるから書けないけれど、一概にその黒幕の真意を全面的に否定することはできず...。"命"の価値ってなんなんだろう、って観終わった後も色々考えさせられました。

スリリングなお話は楽しめたのですが、展開がところどころ急で回収されない伏線もあったことだけが悔やまれます。演技派揃いのキャスティングも素晴らしかった!
ヒューとサラ・ジェシカ・パーカーという『噂のモーガン夫妻』のコンビのシリアス演技が見られるのも貴重!
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