このレビューはネタバレを含みます
75分間ずっと青い画面のままナレーションだけで話が紡がれていく。なんの話をしているのか、脈略が無く抽象的な言い回しで全く理解ができないな〜と思っていたが、後半で口調が変わり、1人のゲイがAIDSに感染し、その命が尽きるまでの話だと分かる。
実は『BLUE』が制作された当時、デレク・ジャーマンはAIDSによる合併症の影響でほぼ盲目の状態だったのだそう。つまり、盲目の景色を「BLUE」とした上で、AIDSによって命を落とした者への弔いと、AIDSを正しく理解することへの啓蒙を彼の実体験を通して表している。
サイモン・フィッシャー・ターナーが鎮魂歌を添えるような劇伴で、作品を通して2人の友情を感じたような気がする。
また何度も繰り返し観たい。