Uえい

怪人マブゼ博士のUえいのレビュー・感想・評価

怪人マブゼ博士(1960年製作の映画)
3.0
勝手に謎に包んでしまっているマブゼシリーズに初挑戦!本作はラングが60年に撮ったマブゼ作品で、この後他監督に受け継がれ全6作品のシリーズになっている。

ラングはアメリカ亡命前にもマブゼを扱った映画「ドクトル・マブゼ」「怪人マブゼ博士」の2つを撮っている。こちら未見だが、本作はこの設定が受け継がれているみたいだった。ナチス勃興前夜のドイツで連続犯罪を犯しながらも捕まらず、伝説になっていた。

あるテレビキャスターが暗殺され、その捜査がホテルルクソールを舞台に繰り広げられる。かなり登場人物が多いが、濃いキャラクター達だ。アメリカのお金持ちや、逃げてきた人妻、警部、保険のセールスマン、盲目の占星術師などなど。誰が犯人か、謎を呼ぶサスペンス仕立てだが、昭和特撮の人間ドラマの様にどこか、そんな事どうでもいいといった軽やかな雰囲気が充満する。

この雰囲気が、手塚治虫や石ノ森章太郎の漫画をなんとなく連想させた。このシリーズの続きも気になるが、初代マブゼも気になってきた。
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