わかめ昆布

春琴抄のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

春琴抄(2008年製作の映画)
3.4
よく分からないみすぼらしい子供の奉公人がオリジナルで追加され、その子が春琴抄の物語を語っていく手法に成っている。現実的な設定。

陰気なところがなく、清潔でしなやかな佐助。
この佐助は一家に一人欲しいかも。

春琴は凛としており目を瞑った顔が綺麗。
包帯してからも美しい。
目を閉じてると髪型も伴い柴咲コウに見えるので、雰囲気的にも柴咲コウで見てみかった気持ちにもなったり。

奉公人の足音が好きだと言った春琴だが、ドタドタとうるさくて、小説の彼女なら耳障りや、とお暇をだしそう…この作品のテンポが乱されていた。

春琴抄の鳥びいきの話がメインで取り上げられているのは良かった。うぐいすの美しい鳴き声がたまらない。極上の音色。

春琴のビジュアルとお琴の音楽は素晴らしかった。特にお琴の音色はとても上品で美しく、小説の情景が浮かんだ。

あと特筆すべきは、針シーンの描写の丁寧さ。

現代風にしたのはいいけれど、エンドロールの音楽セレクトがありえなくて、一気に台無しになってしまった。残念。

丁寧に描かれていても、ダメなときはダメなんだなあと思った作品。
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