昨今亭新書

映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝の昨今亭新書のレビュー・感想・評価

4.8
小学生の時に観て意味が分からず、生意気にも駄作認定していた映画。

久しぶりに鑑賞してみて驚かされた。全ドラえもん映画の中で一番誤解していた映画だった。
ジブリ作品、特に『崖の上のポニョ』『君たちはどう生きるか』のような、観客に解釈をひたすら委ねるタイプの作品といえる。

まず何より、作画や構図がとんでもない。声優が一新された2006年付近のドラえもん映画では、TVアニメとは違う劇場版らしい作画が追求されることが多いが、本作はその中でも群を抜いている。
新海誠作品との比較さえ可能な美しい背景に、ドラえもん映画ではまず見ない静止画や引きの画多めのカメラワーク。
2008年の子供向け映画とは到底思えない画面構成の魅力に、開始早々に認識を改めざるを得なかった。

その上で、中盤〜終盤のストーリーははっきり言って完全に破綻している。
この辺りが、小学生の頃に観てつまらなかった所以だろう。