佐藤克巳

十字路の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

十字路(1928年製作の映画)
5.0
衣笠貞之助監督が、試行錯誤しながらのドイツ表現主義映画を標榜した新感覚実験映画第2段で、姉千早晶子と弟阪東寿之助の兄弟愛と過酷な運命が十字路を交差する様に切々と響く時代劇映画の金字塔。弟が、狂乱の盛り場に足を踏み入れ、矢場女小川雪子に誑かされ、ヤクザに売られた喧嘩で盲目となり、殺傷したと勘違いし姉に縋る。姉は、偽十手持ち相馬一平に騙され金策に困り、犯されそうになり包丁で刺し殺す。視力の戻った弟は、姉を引き摺る様に町はずれの小屋に隠し、再び盛り場に戻ると、矢場女とヤクザの関係に驚き急死する。姉は、ひたすら弟の帰りを待つ。
佐藤克巳

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