すずき

夜の訪問者のすずきのレビュー・感想・評価

夜の訪問者(1970年製作の映画)
2.8
自分の船を持つ船乗りのジョーは、お金もそこそこあって、妻と娘もいる順風満帆な生活。
だがある日の夜、拳銃を持った男が家に侵入する。
彼はジョーの過去を知る男で、ジョーに恨みを持つらしい。
自分と家族を守る為、隙をついて男を殺害するジョー。
だが彼は警察には連絡せず、不安がる妻に自分の過去も話そうとしなかった。
2人は死体を処理した後に家に戻ると、そこにはジョーの過去を知る3人の男達が待っていた…

初期「007」シリーズの監督であるテレンス・ヤングと、ご存じチャールズ・ブロンソンの主演で送る、サスペンスアクション映画。
主人公は過去に縁を切った男たちから、悪事に協力するよう脅される。
そこで主人公は彼らを出し抜き、家族を守ろうとする駆け引きと暴力の物語。
後半は舞台を山小屋に移し、妻子と仲間割れした男たちとの、緊迫の膠着状態というサスペンス。
主人公は曲がりくねった山道を、白バイに追われながら爆走するカーチェイスを繰り広げる。
このカーチェイスが中々スピードも速くて、当時としてはスリリングなんだけど、現在の作品と比較すると、どうしても単調で退屈。
映画全体としても、やはり古さが感じられて、悪い作品ではないが、さして面白さも感じなかった。

良かったのは、悪役一味の中のひとりに、特に意味もなく人殺しをするようなサイコ野郎がいる所。
一味のボスは彼に誤射され、失血でどんどん弱っていく。
反対にサイコ野郎の方は、どんどん存在感を増していき危険になっていくのが面白かった。
「レザボア・ドッグス」のミスター・ブロンドのような小物サイコキャラは結構好き。
彼のヤベエ行動で一味が瓦解するきっかけとなる所もミスター・ブロンドっぽい。