たか

いのちの山河〜日本の青空II〜のたかのレビュー・感想・評価

4.0
 豪雪・貧困・多病という『三悪』に立ち向かう深沢晟雄と沢内村民の話です。憲法25条の内容、深沢晟雄と言う人物、知りませんでした。以前、映画『日本の青空』を観たため、今回観る事にしたのですが、とても良い作品でした。
 演技のぎこちなさ、時折盛り込まれる『笑い』を取るためのシーン、正直この辺には違和感を感じはしましたが、素晴らしい内容なので許容できると思います。もう一つ、あれだけ人望を深めている深沢晟雄なのに、2期目の選挙で、(いかにも人望のない)『てるい』に勝ったは勝ったが、僅差だったと言うのが、不思議でした。何らかの脚色かな。
 今の医療制度などの有益なシステムは、先人の努力あってのものですね。それを忘れてはいけないのですが、世間を見渡すと、(喫煙など)不健康な生活で、医療費を浪費しています。だいぶ正常化しつつありますが、なんと喫煙に市民権があったりします。
 現代での不健康な行為(喫煙、過食、偏食、運動不足など)は、罪とくらい考える必要はありそうですね。先人の努力を忘れ、健康維持を怠った時、医療費の浪費などで、医療制度が立ち行かなくなると思います。まさに現代はその問題に直面していますが...。
 そして作品において皮肉な事は、健康にスポットを当てているにも関わらず、深沢晟雄はじめ、多くの村民が常にタバコを吸っていると言う事ですね。
 タバコの害を知らない時代なので、彼らに過失はありませんが、志を持っている人々故に、観ていてやり切れない気持ちになりました。結果的に深沢晟雄は、喫煙も大きな原因とされる『食道ガン』で、惜しまれつつも志半ばで亡くなってしまったわけですから...。
 少なくとも現時点において、何が健康に良いか悪いかを見極め、それを行動に移してこそ、先人の努力を理解していると言えるのだと思います。
 ある意味、我々の『近くにあるものを我慢する辛さ』は、当時の彼らには理解し難いかと思いますが、深沢晟雄ならば、タバコの害を知った瞬間から、すっぱりタバコを止める選択をするんだろうな...とイメージできます。
 深い作品でした。
たか

たか