Monsieurおむすび

ミス・ヨーロッパのMonsieurおむすびのネタバレレビュー・内容・結末

ミス・ヨーロッパ(1930年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

興味本位で応募したミスコンでスターへの道を拓いたタイピストのルル(ルイズ・ブルックス)と、彼女を想う男たちの愛憎劇。

最初期のトーキー映画に相応しく、音声があることの瑞々しい恩恵を冒頭から見せつけ、当時の最先端と思しき機器にもカメラを向け、人々の羨望や希望のような感情がスクリーンに弾ける。

ルルがミスコンを足掛かりに映画スターへ登り詰める中で、家庭とショウビズ界を往来していくが嫉妬深く狭量な夫に本心を伝えることができず、その振る舞いが更に夫の疑念を膨らませるという悪循環。
現代のモラハラ、ストーカーの様相を呈して、哀しい結末を迎えるのだが、陶器のような白い肌と艶やかな黒髪のルルは終始、美しく、スクリーンの中で永遠に生き続けることが示唆されるラストを、90年後にこうして劇場で示せているのだから感慨深い。
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