このレビューはネタバレを含みます
「沈黙」で検索したら、
セガールばっか出てきてなかなか見つけられない現象。
ベルイマンの過去作にないレベルで映像表現がデヴィット・リンチすぎて、
リンチ絶対にベルイマンの影響受けてる説。
そう言えば陰鬱な空気感を撮る感じも似てるな。
なお内容はいつものベルイマン。
神への信仰を失った人たちを皮肉めいて描いたやつ。
特に今回はわかりやすくて、
大罪の1つとされる肉欲に狂った妹と、
それに対し、
これまた大罪の1つとされる嫉妬に苛まれる姉の相剋。
未知なるがゆえに、
まだ科人でない息子(甥)の存在が希望として提示されること。
言葉の通じない異国の地で、
身体で繋がることと、心が通じ合うこと。
戦車が走る戒厳令の街で、
外出できず閉じ込められること。
多分に宗教問答的であり、マニエリスム的であり、
「信仰」はノンバーバルなものの中にあるという主張。
信仰は言葉じゃないよ!
ってのが、
姉の職業が翻訳家なのにも表されているよね。
でもね、
だから最後の手紙の言葉は通じないのだ。
子供に、希望に、
何かを託すのは、言葉じゃなくて振る舞いなのだよ。