せーや

エリザベス:ゴールデン・エイジのせーやのレビュー・感想・評価

3.6
英国王室祭 絶賛開催中!
第2弾は「エリザベス ゴールデンエイジ」だ!

プロテスタントの女王エリザベスは
王室内の反抗勢力を一掃するものの
国内外においてのカトリックは不満を募らせていた。
そんな中、カトリック大国スペインのフェリペ2世は
イングランドを制圧しようと艦隊を仕向ける。

エリザベスの生涯を描く作品、第2部。
今作では国内外における反プロテスタント
すなわちカトリックの過激派との対立と
スペインの無敵艦隊との対決を中心に
黄金時代の訪れの前までを描いています。

エリザベスは前作で女王として目覚めたので
今作でも、女王として非常に仕上がっているのですが
新世界へ進出した海賊ウォルター・ローリーと出会ってから
彼女はどんどん情緒不安定になっていきます。

本当に結婚しなくてよかったのかもしれない…
男に対して敏感なエリザベスを見て、そう感じてしまう。

そしてプロテスタントの女王であるがために
反抗勢力が消えないのも問題の一つ。
国民の中にも残るカトリック教徒を見た家臣が
「捕らえないのですか?」と尋ねたところ
「罪は犯していないでしょう?」と返すエリザベスが良い。
宗教の違いに対していつまでも堅苦しく考えていると
平和な世の中なんて築けないのかもしれない。

国民からは愛されていたエリザベスですが
当時の覇権国スペインを敵に回してしまいます。
当時圧倒的な力を誇っていたスペイン王フェリペ2世。
敬虔すぎるカトリック信者であったために
プロテスタントの女王を売女と罵り(しかも子供の前で)、
そしてそんな異教の国を討伐しようとするのです。

ちなみにフェリペ2世は
前作で出てきたイングランドの前王メアリー1世の旦那。
早々にメアリー1世を見限ったやつです。

スペインの無敵艦隊との対決を
もっと見たかったなぁというのが率直な思い。
それまでのエリザベスの色恋沙汰や
情緒不安定さを描くシーンが多すぎて。

でも、完全無欠のエリザベス1世というイメージから
実は普通の女の子だったという真実に気付かせるのが
今作の目的であったのならば、成功でしょう。

そしてエリザベス1世の重臣ウォルシンガム。
彼はエリザベスにあんまり褒めてもらえないのに
ひたすら彼女のために尽くしています。
エリザベスのためならエンヤコラといった感じで。
黄金時代を築くことが出来たのは彼のおかげなのでは。

エリザベス1世というイギリス史上最も有名な王。
一体彼女はどんな女性だったのか?
女王としてではなく、一女性として描いた作品。
前作が気に入った人は、見て損はないかと。
せーや

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