スーパーで買った食材を使い、市販のルウで味付けした、なんてことのないごく普通のカレー。ミシュランが星を与えるような手の込んだ一品ではないけれど、誰もが「おいしい」と安心できる家庭の味。愛すべき一皿。
そんな映画。
B級素材を無理に背伸びしてA級映画へ昇華させようとすると大抵失敗してしまうのだが、ジョン・カーペンターはそんなヘマをすることなく、真っ当なB級映画として全力投球してくれた。その姿勢に敬意を表したい。
どこまでもチープな画面と音楽に浸りながら、間違っても「コイツつええな!」と言えないカート・ラッセルの等身大アウトローっぷりを堪能する。これぞまさしく午後ロー向きの傑作B級映画だ。