ムギ山

殺人の追憶のムギ山のネタバレレビュー・内容・結末

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんでも下敷きになった実際の未解決事件に最近大きな進展があったそうで(といっても時効は成立してるらしいけど)話題になっていて、プライムビデオのトップページでも「人気急上昇の映画」のコーナーで紹介されている。
まあ画面がとにかくリアルですばらしい。冒頭に出てくる女性の死体にハエがたかっていたりしてすごい。警察署や村や民家もやたら汚かったり壊れていたりして良い。日本のテレビのサスペンスものもこのくらいやればいいのに(比べるもんじゃないけど)。
叩き上げの(あんまり頭のよくない)地元の刑事とソウルから来た刑事のコンビがなんとなく「True Detective」っぽい。話そのものは(これが未解決に終わるということをこっちが知っているせいもあり)どのへんに着地するのかが見えず、実は中盤ちょっとダレる感じもあるのだけど、クライマックスは説得力があった。
いくつか疑問が残る点があって、最後手錠をかけられたまま釈放されたあの兄ちゃんはどうしたんだろう? 音楽のリクエストと殺人を関連づけるようなこと、普通ならしないよね? 最後に殺されちゃったあの女の子は赤い服着ていた? 等々。

その後読んだニューズウィークの記事( https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/14-30.php )によると、

>>シナリオを描くにあたり、ポン・ジュノ監督は事件についてかなりの時間を準備に費やし、犯人のプロファイリングを行ったという。
その結果、犯人は自己顕示欲の高い人物だと断定。この犯人が映画館に自分が起こした事件の映画を必ず見に来ると見込んだ監督は、映画のラストシーンで犯人を追っていたパク刑事のカメラ目線のアップを映している。犯人は公開当時映画館でこの映画を見ていたかもしれない。スクリーンからの、その鋭い視線は容疑者の罪悪感を少しは刺激しただろうか?<<

とのこと。あのラストシーン、そういう意味だったのか!
ムギ山

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