冒頭の入りが北野映画っぽくてそこが良かった。
序盤のグダグダ捜査は笑えたけど、あれが実は一番のホラーで初動捜査ミスってるから犯人捕まえられないんだと思う。
プロットを引き延ばすためのミスリードが多くてあまりノレなかった。
ソンガンホの刑事が抱えるテーマは「見る目のなさ」で、それゆえに真実そのものを見逃してしまったのだと思う。
ラストシーンで観客を覗く演出は、何を見つめていけばいいのかわからない呆然さや、見られているこちら側の居心地の悪さなどを表現していると思った。
映像的には光の入りや画面構成、トラッキングショットなどが上手で好みだった。ワンカットの中で動きをつけ場面を転がすのがやたら上手い印象。
ピント合わせのやりくりで画面に緊張感を持たせる演出もわざとらしくなくて良かった。(ただ一箇所だけ「演技待ち」の作為を感じるカットがあった)