通りすがりのアランスミシー

殺人の追憶の通りすがりのアランスミシーのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.6
ついにアカデミー賞まで獲ってしまったポン・ジュノ監督初期の傑作。
軍事政権下の韓国で起きた殺人事件をモデルにしている。
正攻法なサスペンスに見えてサイコホラー風味で曖昧な結末に文学的な抒情が漂う。
「セブン」と「羊たちの沈黙」に「スリー・ビルボード」を足してコンパクトにまとめたような緊密さに、東アジア特有のドロドロした情感が足されている。
個人的にはポン監督の最高傑作は本作だと思っているのだが、韓国国外ではほとんど賞と無縁だった。