シネラー

殺人の追憶のシネラーのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.5
観賞後の気持ちとしては、
やるせなさが残る映画だった。

事件への杜撰な捜査を通して、
良くも悪くも変化していく刑事達は
見事な人間模様だった。
サスペンス要素としては
賛否あると思うが、
本作の肝はサスペンス部分ではなく、
事件を追う刑事達の焦燥や道徳
にあると感じられた。
劇中での雨の描写や象徴的に登場する
トンネルは印象的で、
解決されない事件を暗示している
と思った。
冒頭と結末の状況が一致し、
収束されるのも良かった。

未解決事件を下地にして、
近年になって犯人も特定されたが、
実際に捜査に当たった警察は
本作をどう思ったのだろうか…
汚れた正義を観るサスペンスだった。
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