悪魔の毒々クチビル

レプリコーンの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

レプリコーン(1992年製作の映画)
3.8
「金貨を返せ!!」

夏休みに父親が購入した空き家を親子と業者で整備していたら、地下室に邪悪な妖精レプリコーンが封印されていたお話。

アイルランドの妖精レプリコーン(レプラコーン表記の方が主流っぽい)を題材にしたファンタジーホラーで、ジェニファー・アニストンの初主演兼デビュー作でもあります。
U-NEXTで視聴しましたが、どうやら今作と2は日本だとソフトはVHS版しか無いみたいで結構レアな作品のよう。加入している人は是非。

一般的にはレプリコーンは靴職人の一面を持つ一方で、黄金や金貨を所持しており捕まえるとその在りかを教えてくれるそうです。
劇中でも大まかな設定は同じですが、金貨を奪うと相手を殺してでも奪い返そうとするホラーなキャラ付けになっています。
今作では購入した空き家に以前住んでいたおっさんがレプリコーンから奪って隠しておいた金貨を見つけてしまった事から、狙われる羽目に。
因みに弱点は4つ葉のクローバーと、中々個性的。

レプリコーンを演じているのは「ハリー・ポッター」シリーズなんかで有名なウォリック・デイヴィスで、シリーズ通してレプリコーン役は彼が演じています。
三輪車を高速で漕ぎながら追い掛けてくるコミカルなシーンもあり、ちょっぴりダークな子ども向けホラーかと思いきや、割と凄惨な流血描写もあるし死体から目を抉り出すシーンもあったりと意外と真っ当にホラー映画している描写もありました。

レプリコーンのキャラも良かったけど、登場人物もこれまたキャラが分かりやすくていいね。
唯一の少年アレックスとちょっと抜けた所のあるおデブのオジーの関係性が一番好きで、この二人は最後に良い活躍を見せてくれましたし、その後のやり取りも良かったなぁ。
ジェニファー・アニストンが演じるトリが丁度ウザいヴィーガンなんだけど、アレックスの兄ネイサンに「その靴だって牛で出来てるんだろ?」とか突っ込まれる良い感じのファッションヴィーガンで、いつの時代にもいるもんだなぁと。くっつきそうで、最終的に特に恋仲にならないっていうね。
そう言えばトリのお父さんだけ何の見せ場も無かったし出番も少なかったな。でも大人抜きで奮闘する展開は好きだし無問題である。
汚れた靴を見ると無性に拭きたくなる習性を利用して、あちこちに大量の靴をばら撒きながら逃げる面白い突破法も印象的でした。

観る前はちょいと作風をダークにした「グレムリン」みたいな感じかなと思っていましたが、まぁそんな雰囲気もありつつ思いの外ホラーな要素もあり楽しめました。
何よりレプリコーンのキャラが印象強めでしたし、だからこそシリーズ化されたのでしょう。
U-NEXTで4まで視聴可能ですが2のあらすじだけ確認したら今作のラストは一体何だったのかってくらい話が繋がっていなかったので、多分どっちから観ても大丈夫だと思います。
寧ろ今作の正当続編として2018年に「レプリコーン リターンズ」が製作されたので、順番的には2じゃなくてこっちから観るのが正解なのかもしれない。こっちはレプリコーン役がウォリックじゃない上に、見た目のホラーっぽさが強まっている感じですが。こっちもU-NEXTにあります。