あまのうずめ

地下鉄のザジのあまのうずめのレビュー・感想・評価

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)
3.9
10歳のザジは母とパリにやって来る。母は恋人と出掛け、ザジは叔父のガルリエルに預けられる。ガブリエルは友人のタクシー運転手シャルルと迎えに来ていたが、ザジのパリでの目的は地下鉄=メトロに乗ること。歩いて駅に向かったものの、地下鉄はスト中だった。


▶︎写真家としても名を馳せていたルイ・マル監督のコメディ映画。ヌーベルヴァーグ期の隠れた名作と言われ、ザジ役のカトリーヌ・ドモンジョの魅力と当時のパリの街をたっぷり味わえる。

追いかけっこはトムとジェリーを思わせるもこっちが先で、ドタバタギャグも今ではツボらないものの1961年製作を念頭に置けばそこそこ笑える。

コマ送りを多用した編集でコミカルさを増幅させた手法は流石写真家と思わせ、言いがちな子供ならではの言葉遣いは原作を登用したのか、ザジのキャラクターに厚みを持たせている。

大貫妙子はこの作品を基に曲を作ったことでも知られていて、オシャレなファッション等やカラフルな色使いもカラーが台頭してきた時代を感じさせる。ブルーレイ整理の為、多分3度か4度目の鑑賞となったが、改めて好きだと思い知った作品の一つ。