真っ黒こげ太郎

mute ミュートの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

mute ミュート(2001年製作の映画)
4.5
森の中にある一軒家に住む老人。
ある朝、森の中へ飼い猫が逃げてしまい後を追うと若い男と少女に出くわす。
その後2人は森へ入っていき、2人の事が気になった老人も後をつけるが、老人は男が少女の首を絞め殺す所を目撃してしまう。
男が振り向きそうになり、老人は慌てて逃げ出す。
その後、警察がやってきて捜査を行うが、遺体どころか事件の痕跡すら見つからなかった。
それからというものの、老人は謎の悪夢や白昼夢に悩まされる。
あの光景は夢か幻か、あるいは妄想か、それとも…。



殺害現場を目撃し、殺害現場の悪夢に悩まされる孤独な老人の姿を描いたホラー。
(どっちかというとドラマの色が強いかもしれない。)
「台詞の殆どないサイレント・ホラー・ムービー」とのことで、物凄い台詞が少ない。
主人公の老人も作中で一言しか言わないし、台詞が一番多いキャラも終盤にちょっと出てくる脇役だったりする。(しかもその台詞は何のことか良く分からない。)


映画としてはかなりの低予算で、恐らく自主制作映画だと思う。
(配給も「ジュラシック・シャーク」でお馴染みのトランスワールドアソシエイツだし。)
内容もどちらかというと淡々としていて、後半には展開が大きく動くとはいえ、派手な展開も皆無。

しかし、意外にも75分、不思議と最後まで飽きずに観れた。
台詞もない、淡々とした展開ながらも最後まで色々と考えながらも観れたのだ。
くすんだ映像に、強調された効果音や生活音が雰囲気を出してて作品全体に不穏な空気を漂わせている。
話も後半から大きく進展し、最後まで飽きなかった。
実は一回、字幕なしで鑑賞していたのだが、それでも理解できる位、話は分かりやすかった。
まぁキャラの行動で話が展開してるし、どこの国の人が観ても、理解はできそうか。
(とは言え観るなら字幕付きで観た方がいいか。字幕で観て初めて老人や少女の名前が分かったし。w)

しかし、最後のオチは何だったんだろう。
なぜ最後にああなったのか、全然分からん。
まぁどういう隠喩なのか考察するのも一興か。


かなり安っぽいし、人によっては苦痛かもしれない。
(実際、他のサイトの様々なレビューではかなり賛否が分かれてた。)
それでも、変わった映画が好きなら観ていいかもしれない。
興味のある方はどうぞ。