Charlie

地球へ・・・のCharlieのネタバレレビュー・内容・結末

地球へ・・・(1980年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

数十年ぶりに2度目の視聴。
宇宙物のアニメの多くはキャラクターデザインが「銀河鉄道999」の松本零士さんの絵を元にしていたり、「ガンダム」の安彦良和さんなど少年漫画の畑から出てきている画家さんが担当しているのに比べ、本作は少女漫画家の竹宮恵子さんの絵を元にしているので、メインキャラが柔らかい絵で新鮮。しかしアニメの製作チームが同じなのか、オジサンキャラはガンダムやスリーナインやジョーで見たようなキャラだったりして、ミックスな世界が見られます。

声優陣がとにかく豪華。今は亡き増田江威子さん、藤田淑子さん。現役で大御所の池田昌子さん、小山茉美さんなど。しかし、少年に見えない少年キャラに女性(例えば薬師丸ひろ子)の声をあてているため、変な感じ。昔のアニメって興味深いですね。たぶん竹宮恵子氏の漫画にありがちな同性愛を示唆するためのキャスティングかも。

物語は、ジョージ・オーウェルの「1984」にも似た世界を踏襲。人類は試験管ベイビーです。独創的なのは、人類の中にミュウという超能力者がたまに生まれてしまい、反乱分子として殺される運命にある、というふうにしっかり人類と分けた存在が設定されているところです。ミュウたちはちょうど「マトリックス」のネオたちのように集まり、ナスカという星で暮らします。しかし中には地球に恋焦がれる者たちもいます。ミュウのリーダーになったジョミーは地球の独裁的な人類と平和的に地球で暮らせないかと考えています。でも地球人は彼らを攻撃してナスカを破壊。
なぜかフィシス(ミュウ)がキース(人類)を助けたことでナスカが破壊され、ミュウの80%が死ぬまでの大惨事に至るのですが、キースを作るための卵子提供者がフィシスだったという展開に「なるほどね」と納得しました。
しかし、作品内の時間は5年後、10年後とドンドン過ぎます。最初のミュウのリーダー(ソルジャー)ブルーから次のリーダーであるジョミー、そしてその息子トォニィがリーダーを受け継いで話が展開します。
人類を支配していたマザーというコンピュータは、銀河鉄道999のプロメシウムが死ぬ時みたいに死に、機械化帝国が滅びるように地球上でもあちこちが崩れて爆発を繰り返します。
ミュウたちの多くは生き残った人類を手当てするなどして地球に残りますが、トォニィを含む優秀な?ミュウたちは、人類の敵になることを回避するために旅立ち、遠くからミュウと人類の行く末を見守る、というエンディング。
なかなか壮大な話ですが、よく映画1作にまとめましたね。やはり昔のアニメは興味深い。
Charlie

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