TS

鴨川ホルモーのTSのレビュー・感想・評価

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)
3.0
【京都の大学生なら観ておきたい奇想天外ファンタジー】
ーーーーーーーーーーー
監督:本木克英
製作国:日本
ジャンル:ファンタジー
収録時間:113分
ーーーーーーーーーーー
ワロタ。まさかこんな話だとは思ってもいなかったです。最早ファンタジーRPGの世界。でもなんとなく親近感が湧きましたので、いつもはこういう映画は苦手なのですが今回は許容できました。

というのも、舞台が京都ということだけでなく、今作で登場してくる大学が身近すぎるからです。

東の京都大学
西の立命館大学
北の京都産業大学
南の龍谷大学

それぞれ四神に基づいて青龍、白虎、玄武、朱雀の異名をつけた各大学のサークルが、「あるもの」を題材にバトルを繰り広げます。

この内のいずれかの大学、大学院に通っていた僕からすると凄く親近感が湧きました。鴨川を筆頭に、ロケ地の大半が見たことあるような風景ばかり。と同時に、八坂の塔に向かって走ってるのに、次のショットは平安神宮であって、いやおかしいだろ!てご当地ならではのツッコミもすることが出来てそれなりに楽しませてもらいました。

二浪をして京大に入った主人公安倍は、5月になると無気力になっていた。葵祭のアルバイトを終えたあと、サークル勧誘の二人から新歓のビラを貰うのだが。。

まず冒頭の新歓コンパからとても頷けられました(笑)僕もサークルに所属してる時はビラをつくったり、新歓企画をしたり様々なことをしました。京都ですることが大半でしたので、やはり見ていて興味深かったです。
関東の方からすると、京都にはこんな変なサークルがあるのか?!と思われるかもしれませんが、僕が知る限りこんなサークルはないと思いますのでご安心を。

とにもかくにも、このサークルは中々ぶっ飛んでいるサークルです。いわゆる「お詐欺サークル」な気もしますが、不思議と主人公はじめ新入生はドツボにハマっていくのでそれはそれで良いのかなと感じました。

もしこのサークルがなければ、主人公安倍はせっかく京大に入学したのに無気力で退学してしまっていたかも知れません。昨今の大学の問題の一つでもあると思います。大学中に何をしたいかわからない。だから何となくサークルに入って「人生の夏休み」と揶揄される4年間を過ごす学生が増えてきています。話が逸れてしまいましたが、日本の大学の問題点に関しては挙げればキリがありませんのでこれくらいにしておきます。
従って僕は今作に関しては、単なるファンタジーRPGとしてだけ見てなくて、極めて現代的な大学生の生活を垣間見れたと感じれました。

ただ、ストーリーに関してはいきなりファンタジックになります。それは怪しいサークル、青龍会の男性達がある行為をすることにより解放されます。そこからは少し唖然とさせられました。もうこの展開が無理。ドン引き。という方はたくさんおられると思います。
僕も普段はそちらのタイプなのですが、今作はあまりにも素っ頓狂すぎて笑ってしまいました。あんなサークルが実際に存在したらさすがにヤバイ。補導されるでしょう。なので、京都の大学出身の人かこのような支離滅裂な展開についていける人だけ鑑賞していただければ良いと思います。

途中から字幕がかなり出てきます。その理由は観ればわかりますが、本当に個性が溢れすぎです。

ゲロンチョリー!
は今作屈指の名言です。笑

余談として、冒頭の葵祭のアルバイトはたまに募集されます。大学院時代の時は教務課から依頼のビラが届いたほどです。日程が合わず、したことはありませんが。
また、作中で三回生や一回生という「〜回生」という語句が使われますが、これは実は京大が東大に対抗して用いていた言い方です。東大が一年生、二年生と呼ぶのに対して京大は「〜回生」と呼びます。そして面白いことに、その回生呼称は他の大学ても普通に使われているのです。つまり回生を使えば京大の傘下のようなイメージがあるそうです。

それにしても今作の栗山千明はかなりのオタクキャラでしたが、本気出せば芦屋星より綺麗と思うのは僕だけでしょうか?笑
TS

TS