青二歳

プロジェクトA子の青二歳のレビュー・感想・評価

プロジェクトA子(1986年製作の映画)
4.1
文芸路線のSF超大作ばかりでなく、楽しい“あっぱらぱー”なアニメを作ろうという志で製作された劇場アニメ。素晴らしい。その意図はのち宮崎駿にケチをつけられるが、正直その批判こそナンセンスだと思うし“志が低い”と思う(ググると引用元のインタビュー記事が出てきます)。娯楽作でいいじゃない。

うる星やつらの西島克彦さんのドタバタSFアクション学園ナンセンスコメディ。オタク好みの"どて煮"と言えばそうなんだけども、アニメおたく史の中だけで語られるものでもなく、映画やアニメなどの媒体問わず娯楽作に求められるものを詰め込んでいるところが素晴らしい。とくに製作陣も楽しんでいる様子が伝わってきて一緒に笑える。確かにパロディ尽くしなので、結構リテラシーが要求される点はなきにしもあらず。この点で評価がアニメおたく史に留まるのかもしれない。でも既視感を遊ぶ作品は豊かな土壌があってこそだと思うので、これは時代の傑作だと評価されるべきだと思う。

まぁ製作の流れがオタク感に満ち満ちているから難しいかな。制作費を捻出するためにまず同人誌をつくったっていう拭えない内輪感…w
なお同人小説版では主要キャラ3人は百合関係というから中々すごい(アニメは百合要素なしであくまで少女ものにありがちな友情や独占欲にとどまる)。

北斗の拳、クリーミーマミ、キャプテンハーロックのパロディキャラで遊んでて楽しい。特にハーロックのクオリティの低さがいい塩梅。劇中のアニメは大友克彦かな?
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