真世紀

殺しのテクニックの真世紀のレビュー・感想・評価

殺しのテクニック(1966年製作の映画)
4.2
次の仕事で足を洗うと決めた初老の殺し屋クリント(ロバート・ウェバー)。狙撃を成功させた彼に組織の裏切り者を消す依頼がもたらされる。相手が先手を打ったのか、兄を殺され、組織がつけた助手とともに裏切り者が身を隠すパリへ向かう。

冒頭の射撃場を経ての狙撃シーンが、まずいい。ビルの屋上、コートの下からパーツを取り出し、組み立てたライフル銃での長距離射撃三発。銃を組み上げ、弾倉に弾丸を込める過程で両の指先に息を吹き掛け、あたためるといった細かい所作がリアリティを増す。ライフルでの狙撃の場面がここだけであとは拳銃の撃ち合いになるのが残念なくらい。

ただし、ラストでみせる銃を使った「手段」は後年、香港映画「男たちの挽歌」でより、洗練昇華してユンファが披露する。

BGMのクール・ジャズともあいまって、終始表情も崩さぬ主人公の渋さ(そのわりにジャンヌ・ヴァレリー演じる麻薬中毒の美女とすっとベッドインしてそれも後に引きずらぬあたりがまた渋さ倍増)がなんとも心地よいアクション。
真世紀

真世紀