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恋する惑星のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
5.0
5年間付き合った彼女にふられた警官223番(金城武)は、彼女のことが忘れられず、自分の誕生日に賞味期限を迎えるパイナップルの缶詰を買い続けている。
寂しさを紛らわすために麻薬の運び屋(ブリジット・リン)と、行きずりの一夜を過ごす。同じ頃、ハンバーガーショップの店員(フェイ・ウォン)は、夜食を買いに来た警官633番(トニー・レオン)と出会う。
彼に淡い恋心を抱いた彼女は、偶然手に入れた彼のルームキーを利用して彼の部屋に忍び込んで模様替えを始める。
香港のニューウェイブ監督ウォン・カーウァイが、独特な映像美で描くラブストーリー。
ハイスピードカメラで撮影した独特なスローモーションなどを使った独特な映像美と「その時、彼女と僕の距離は、0.1ミリ。57時間後、彼女に恋をした」「缶詰にも期限切れがある。彼女には、僕は缶詰と同じか」「理解なんて虚しい。好みは一夜で変わる」「どこへ行きたい?君とならどこへでも」など村上春樹に影響を受けた文学的な台詞や「夢のカリフォルニア」「夢中人」などクールな音楽が、泥臭い印象だった香港映画のイメージを変えたヌーベルバーグ的なラブストーリーです。
何よりも、恋した時の踊り出したくなる気持ちなど、誰しも経験した恋愛した時の説明出来ない気持ちを見事に映像で表現出来ていることが、忘れられない恋愛映画になっている理由ですね。
例えば、フェイ・ウォンが、トニー・レオンの部屋中に自分の存在を散りばめていくシーンは、グランベリーズの「ドリームス」に合わせて踊るように動くフェイ・ウォンの軽やかなキュートさもあって、恋するウキウキ気分を見事に表現した名場面です。
クエンティン・タランティーノ監督も絶賛し、海外で自らの配給会社で公開しました。
特に、フェイ・ウォンの恋に恋するヒロインの軽やかな可愛らしさやいい加減な恋のアドバイスをするハンバーガーショップの主人も、素敵です。スタイリッシュなだけじゃなく、コミカルなシーンもあるし、キラキラしたキュートなラブストーリー映画です。
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