映えることのない暗殺、その瞬間に至るまで。
自分が清河八郎という人物を知らなかったのもあるかもしれませんが、その捉え所のなさを映画全体で表現していたような印象。
回想に次ぐ回想、飛び道具的に差し込まれる演出の数々、さらにはフォーカスされる人物もどんどん入れ替わり、徹底して客観性を保って進められてきた映画が、人の内側でどす黒く膨らんだめちゃめちゃ感情的な主観ショットに斬り伏せられる。
個人的には技巧に走りすぎな分、感情の発露が少なく見えて物足りなかったなー。
あんな風にテキパキと遂行される拷問シーン、初めて観た。