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暗殺のtheocatsのレビュー・感想・評価

暗殺(1964年製作の映画)
5.0
ネタバレ
冗長だが構成とラストの追い込み方に唸る

104分とは思えないほど長く感じる。要は感情的には全く退屈だが、展開に対する強い好奇心が鑑賞の糸をかろうじてつなぐ。
人物の相関関係を追うためと、主役・清河八郎の腹内が全く読めない為、こちらも相当緊張させられた。(歴史や人物に対する事前知識が全くなかったのでしんどかった)
私にとっては清河八郎という幕末における勤王の士を知る上ではとっかかりの作品となった。

勤王側⇒幕府側と寝返ったかと思わせながら結局は勤王側に立ち、幕府側を一掃しようとした矢先に敵刺客に暗殺される清河八郎の人生が描かれる。

退屈という点を除けば構成や演出、俳優陣の演技は見事、そして武満徹のメインテーマと劇中の合いの手的効果音がこれ以上ないほど的確。

清河八郎の奸計と幕府側の奸計、双方の騙し合いがなかなかの緊迫を感じさせ、ラストの暗殺者視点による「アクションカム」技法を用いた暗殺劇には全く唸らされてしまった。

うーん、四つ星に留めようと思っていたが五つ星献上

002006
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