ドント

暗殺のドントのレビュー・感想・評価

暗殺(1964年製作の映画)
4.2
1964年。うう、うう、すごい、痺れちゃう、幕末の志士・清河八郎を語る108分の作品なのだが、こういう時代の偉人はわかりやすい人間として描かれるのが一般的なのに対し、この清河八郎、目的こそハッキリしているものの、本人の言動、周りの評価、出来事その他の要素が綺麗に重なりわかりやすい像を結ぶことがなく、髄の部分は蜃気楼の如くぼやけ、名を残す男だと言うのに幽霊のように掴み所がないまま、それでもしっかりと主目的の一つは達し、しかし作品は驚くほどあっさりと幕が下ろされ、一方では陰影に富みつつグリグリと気持ちよく動く映像と歯切れの良い編集&台詞が作品を彩って強いインパクトと説得力を供えており、内容と台詞・映像のコントラストが一種異様な迫力を生んでいる稀有な一級品。
ドント

ドント