柏エシディシ

哀しみの街かどの柏エシディシのレビュー・感想・評価

哀しみの街かど(1971年製作の映画)
3.0
ゴッドファーザーでブレイクする直前の若きアル・パチーノが主演したダークドラマ。
監督は「スケアクロウ」やディランの名盤blonde on blondeのジャケット写真で名高いジェリー・シャッツバーグ。
ドキュメンタリーの様なリアリティタッチで描かれる元祖レクイエムフォードリーム。ポップさの欠片もないトレインスポッティング。
希望も、そして、かと言って絶望に振り切れる訳でもない「これからも続いてく…」って感慨のブツ切りの終わり方が余計に容赦無い。ダメ、ドラッグ絶対。

確かにこんな新人出てきたら衝撃過ぎる、実質映画初主演のアル・パチーノがやはり、すごい。
そして、本作で高く評価されながらその後は映画界から早々に引退してしまうキティ・ウィンもこれまた、すごい。
カレン・アレンやマーゴット・キダーをもっと純朴にした感じの可愛らしい方。
そのふたりが堕ちていく様が本当に辛い。ワンちゃんのくだりなんて、さぁ……。
トレスポの赤ちゃんのアレとかもだけれど、一時の快楽のために小さな命を失ってしまうのって、究極の鬱描写だし、心底ヘロインの恐ろしさを教えてくれるヤツだわ。
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