Yuya

哀しみの街かどのYuyaのレビュー・感想・評価

哀しみの街かど(1971年製作の映画)
4.1
“GOD HELP BOBBY AND HELEN”

NY、West Side、Sherman Square
明日なき2人に哀しい笑みを浮かべ
女の頰に口づけする男

学生時代 長いこと そんなポスターを部屋に貼って 眺めてたっけな
シャッツバーグ監督がジャケ写を撮った ディランの名盤を聴きながら…

たぶんアル・パチーノの初主演作だったと思うけど ただただ身勝手で自暴自棄で 孤独で何も持たない若者を どうしてこんなにもキラキラと演じられたのか
今以て その輝きは色褪せないなぁ
そしてキティ・ウィンの 不安や憎しみや痛みを全て包括した 美しくも儚い薄笑い
麻薬による恍惚と 守るべきものを失ってゆく薄幸が 幻覚の中で溶け合い
堕ちてゆく先が 眩い霧か深い闇か
そんな思考さえ麻痺してゆく無垢な虚無感は
あの時代 ニューヨークのあの場所 あの記憶を
色濃く フィルムに焼きつけてる気がする

♬ I didn't mean to make you so sad
You just happened to be there,
that's all
But, sooner or later,
one of us must know
Yuya

Yuya