春とヒコーキ土岡哲朗

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望の春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

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デザインは全部出し切り、設定は小出しで、世界観がキマる。

前後を省いても面白い「第4話」。帝国の圧政が続くなか、反乱軍が初勝利を治め、要塞デス・スターの設計図を盗み出すことに成功した、という「あらすじ」が出てから始まる物語。とても「途中」。壮大な物語の途中だけを見せられている状態。だが、ジョージ・ルーカスの頭の中にはちゃんとその世界があるため薄っぺらにならず、「説明不足でついていけない」ではなく、「劇中に収まりきらない世界観の広がりにワクワク」になる。

デザインSF。
ときめいてしまうヴィジュアルがたくさん。何より、R2-D2は完璧なデザイン。未来感ももちろんだが、丸みや青と白の爽やかさなど、スポーティなのがいい。ストーム・トルーパーの、白いのに威圧感があるフォルムも不思議だ。白いのに威圧感があると、圧倒的な勢力差で牛耳られている感じがする。

宇宙の話なのに、ただの田舎の青年の話なのがいい。
砂漠の惑星で一生を終えるのかなと不安なルークが、姫からのSOSをきっかけに冒険に出ることになる。世界観がすごいけど、観ていて気持ちが乗るのは、正義のため以前に自分のために広い世界に出たいと思っているルークに共感するから。