ぶみ

コロンビアーナのぶみのレビュー・感想・評価

コロンビアーナ(2011年製作の映画)
3.0
美しき暗殺者、カトレア。

オリヴィエ・メガトン監督、ゾーイ・サルダナ主演による、フランス、アメリカ製作のアクション。
幼い頃、両親を目の前で殺害された主人公が、大人になり、プロの暗殺者として復讐に転じる姿を描く。
主人公となる殺し屋・カトレアをサルダナ、カトレアの親代わりとなる叔父をクリフ・カーティスが演じているほか、ジョルディ・モリャ、レニー・ジェームズ、マイケル・ヴァルタン等が登場。
物語は、冒頭、当時9歳の少女であったカトレアの前でマフィアの幹部であった両親が殺害されるという衝撃的なシーンでスタート、その後に続くカトレアが、コロンビアのボゴタの密集した市街地をパルクール・アクションを駆使して逃走するシーンは見応え十分であり、一気に本作品に対する期待が高まることに。
以降、その15年後、殺し屋となったカトレアが復讐しようと、マフィアの大物に迫っていく様が中心となるのだが、殺した相手の体にカトレアの花を描いたり、はたまた、スパイかのように留置所に侵入したりと、目が離せない展開が続くのは、脚本、製作にクレジットされているリュック・ベッソンの面目躍如といったところか。
また、カトレア自身も普段は偽名を使って生活しているため、いつその正体が警察にばれてしまうのかという要素も、本作品のサスペンス色を高めているところ。
何より、時に恋人とは情熱的になるものの、普段はクールで正確な仕事をする殺し屋・カトレアをサルダナが好演しているのが本作品の最大のポイントであり、前述のベッソンが手掛けた、古くは『ニキータ』や『レオン』のように、女性を主人公に据えた物語として、一定の面白さを保っていると感じた次第。
今となっては、同様の作品も多く、そんな中に埋もれてしまっている感は否めないが、サスペンス・アクションとしてのお手本のような仕上がりであり、サルダナの一挙手一投足に美しさを感じる一作。

奴に休暇を、永遠の休暇だ。
ぶみ

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