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人生、ここにあり!の10000lyfhのレビュー・感想・評価

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)
3.5
1983年イタリア、元精神科患者の協同組合に、左遷的に組合リーダーとしてアサインされた左翼活動家が、元患者たちと共に寄木細工ビジネスを立ち上げ、自立を促す。バザリア法の施行後の実話に基づくとのことだが、自国の社会的試行錯誤というシリアスコンテンツを、コメディ寄りエンタメ映画化しちゃうところに、イタリア映画の底力を感じる。ストーリーはご都合主義が強い(資材不足からの即興的な廃材利用が功を奏す、バイヤーが想定外に気に入り買い付ける、投薬推進ヴィラン医師がラストで客観的公正に判断する、など)。また、性の問題を取り上げるのは良いが、女性の性についても考察が欲しかった。主要キャラは十人十色、魅力的なアンサンブル。主人公の出来過ぎたガールフレンドの葛藤に、このようなハードタスクを引き受けるなら、シングルでいる覚悟も必要かも、と考えさせられた。悪意のない「可哀想な人たち」発言が傷つけることを改めて認識。劇伴は現代ヨーロッパ映画ぽい安定のポピュラーテイスト室内楽
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