製作年が、傑作である市民ケーン&アンバーソンと黒い罠に挟まれているがゆえに、ウェルズの中ではどうしてもちょっと弱く見える。
つけたスコアはあくまでもウェルズ作品や同時代の上質ノワール作品群を母集団とするものである。(そうしないと、現代のバカっぽいが娯楽として面白い映画につけている気まぐれハイスコアと釣り合いが取れないのである)。
サスペンスなのでどうしてもヒッチコックと比べて見劣りはする。裁判シーンもだるい。しかしラストのチャイナタウンからミラーハウスでの圧倒的挽回。
映画史上屈指のふてぶてしい存在感を誇るウェルズだが、ウェルズとリタ・ヘイワースの夫婦主演としてペアで見るとボギー&バコールのようなケミカルな反応はない。リタが感情のないお人形さんのようだ。。そういう役回しだから仕方ないが。