囚人13号

忘れられた人々の囚人13号のレビュー・感想・評価

忘れられた人々(1950年製作の映画)
4.3
リアリズムの塊みたいな主題でも少々抉りすぎ、しかしブニュエル的な超現実シーン(鶏!)の挿入が理不尽の連鎖をすんでのところで映画たらしめているんだなと。

メキシコの実情を伝えたかったのか不良少年を生む生活環境への警鐘か、ことによるとそれらは本作に描かれる歪んだ性愛の口実に過ぎなかったのかもしれない。
因みに検閲で無関係として切り捨てられた場面の一つに、友人を誘い出して殴り殺した直後、建設中のビルの屋上でオーケストラが大演奏しているというシーンがあったらしい。ブニュエルだからかその光景が鮮明に浮かんでくるな。

傾斜が苦手な"こっちを見てたな"おじさん。
囚人13号

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