OLDを見てシャマラン良いなと、昔の映画に遡ってみてみました。
公開当時は見た後に期待して居たのと違ったなとちょっとがっかりした記憶がある。
当時はまだ高校生ぐらいで、宇宙人とかミステリーサークルとか謎なものにたいしてシックスセンスで一挙有名になったこの監督が一体どんな解釈でその正体を暴くのかと期待してたからがっかりしたんだと、大人になってからわかりました。
この映画は宇宙人もミステリーサークルもみんなが知っている程度の知識でしか描かれていません。
そもそも伝えたい本質のテーマは全然違う。
起こることは必然か偶然か。
一人の男が信仰心を失い、また取り戻すまでのお話なんです。
細々したところで非常に上手な手法を使っていて映画としての完成度がめちゃくちゃ高かった。
まず、
見せない。
宇宙人の姿をまっすぐ捉えたシーンは少なく
・ホームビデオに映り込んだ荒い画質の映像
・消えたテレビ画面の反射
・水に入ったコップ越し
などなどうまくぼかしてる。
セリフに頼らずキャラクターの意図を表現している
・レイの家の貯蔵室に閉じ込められた宇宙人を見に行ったグラハムはひとまずその場にあったナイフを手に取る。
・そのナイフの反射した光が自分の顔に当たり、表面が鏡のように滑らかであることに気づく。
・そしてナイフの反射を利用してドアの隙間から貯蔵室の中を伺う
この一連の流れがスムーズで感動しました。
youtubeにあるレビューを見るまでわたしは気づかなかったけど、
ベビーモニターで宇宙人の交信を傍受するシーンでは車の上で家族全員が連なっていて、家族全員が一致団結することを示唆しているのではとのことでした。改めてこの時のショットをみると高い視点からのショットでモーガン、メリル、ボー、グラハム全員を捉えた奥行きのあるすごくよいショットです。
https://youtu.be/V3Ju05PuiyQ
同じレビューでも言ってたけど、最初の方のシーンで様子のおかしい犬を獣医ではない医者に見せようとするのも、後になって獣医は妻を事故死させた人だから避けているというのをなんの説明もなくサラリと流しているのがとんでもなく素晴らしい。作り手が観客の理解力を信用しているからこそのなせる技で、実はめちゃくちゃ難易度高いんです。
見れば見るほどに良い点が発見できて、もしかしたらシャマランの中で一番好きな映画かもしれない。
