月うさぎ

僕らのミライへ逆回転の月うさぎのレビュー・感想・評価

僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)
4.0
これは映画を愛する人のための映画だったのですね。
「僕らのミライへ逆回転」という邦題は誤訳もいいところです。
SF感動コメディだと思っていたんです。
そのうちに「未来」へのタイムスリップが出てくるはず。と……。大間違いでした~(^_^;)

ニュージャージー州パッセークにある寂れたレンタルビデオ店「Be Kind Rewind」。
この店の名前が映画の実のタイトルなんですが、
「Be Kind Rewind」は、レンタルビデオの注意書きで「巻き戻してご返却下さい」の意味だそうです。
巻き戻しを「逆回転」はナイよね~。

ビデオからDVDに変わるタイミングという時代もこの映画の重要ポイントなのです

ジャック・ブラックが演じるのは当然ながらうるさくめちゃくちゃで迷惑な変人キャラです。
前半はかなりデタラメなギャグを連発してくれますが、やりすぎもとことん徹底すればしまいには爽快になります。
そして最後にほろりと感動を残していくのもいいですね。
さえない町で日々を倦む暮らしをしている人々だって
自分やホームタウンに誇りを持ちたいのです。
それまでのハチャメチャぶりから急展開すぎて予想外でしたが、終わりよければすべてよし。
そういうタイプの映画かもしれません。

ほら。映画を撮るってことはこんなにも人を(自分を)夢中にさせるものなんだよ。
ゴンドリー監督はそれを表現したかったのではないかしら


【ストーリー】
レンタルビデオ店の主フレッチャーは、市の再開発担当者から立ち退きを迫られていたが
店と仕事に誇りと愛着を持っており、なんとか店を継続したいと考えていた。

数日間店をマイクに任せて出かけることになったが、
「ジェリー立入り禁止」という警告が伝わらず
(KEEP JERRY OUTをPEEK YRREJ TUOと読んでしまうため🤣)
案の定トラブル発生。留守中、ジェリーに店内のビデオの中身を全て消されてしまいます。
(DVDではなくて磁気式の「VHSビデオ」ならでは、の事故です)

ちょうどそこへ上得意の女性客が『ゴースト・バスターズ』を借りに来た。
二人はホームビデオで『ゴースト・バスターズ』を自作自演で撮影してごまかすことに…?!


彼らが映画内でリメイクする作品を参考にご紹介
「ゴースト・バスターズ」「ラッシュアワー2」「ライオン・キング」「2001年宇宙の旅」
「キャリー」「ロボコップ」「キング・コング」「メン・イン・ブラック」「ドライビング・ミス・デイジー」
「BOYZ N' THE HOOD」「WHEN WE WERE KINGS」「SNAKES ON A PLANET」「MA MAISON」など

そのヘンのガラクタやダンボールなどを使ってチープな映像を撮るのですが、
奇抜で面白いアイディアと映画の「名シーン」の再現が意外にマッチ。
ゴンドリー監督曰く、この映画の見せ場が、ワンカット!で撮ったさまざまな撮影アイディアの連続披露のシーンとのことです。
ぜひ注目してみて下さい。
彼らの撮った映画を観てみたかった!!
やがて彼らはオリジナル映画にチャレンジし始めます。
自分でも映画を撮ってみたいと思う人が続出しそう。

「ゴースト・バスターズ」の本物が見たくて仕方なくなりますよ!
月うさぎ

月うさぎ