薮内亘

僕らのミライへ逆回転の薮内亘のネタバレレビュー・内容・結末

僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

映画の表裏が映し出された作品

映画の世界はみんな嘘っぱちで作り物。しかし、人はそんな偽りに対して、笑ったり涙したりしながら、感動を共有します。たまには、造られた世界が真実かのように認識されることも少なくないはずです。それを物語へ落とし込まれた作品だった気がします。映画には多くの人々の手が加わっており、制作者は作品を自分事にして楽しみ、視聴者がそれを楽しんでいる姿に喜びを覚えます。ラストの映写機の演出は映画において裏表の関係性を見事に映し出していたように思います。なんだか学生時代に映画を作っていた頃を思い出したシーンでした。あんな風に大勢が肩を並べて映画を楽しむ時代が薄れてきていると思うと心寂しい感覚です。冒頭と終盤のシーンがリンクする自分好みの演出でした。リメイク作品があれほどまでにヒットしている光景は少々ツッコミどころですが、低予算ドラマが流行した事例に似たものを感じました。今作もアナログなギミックが光っていて、トレーラーのシーンに情熱を感じさせられました。

店長が一生懸命リサーチした時間報われずやない。“ニーズに応える”ことの再認識ができたにではなかろうかと。
薮内亘

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