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女と女と女たちのBONのレビュー・感想・評価

女と女と女たち(1967年製作の映画)
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アメリカの大女優シャーリー・マクレーンが異なる女をオムニバス形式で演じ分ける、めくるめく7篇のオムニバス映画。

60年代のスウィングした雰囲気に、マクレーンが戯れる。傲慢な女やビッチやカタブツなど、強烈で忘れられないキャラクターばかりだった。

■第1話・葬列
 夫の葬列に参列中の未亡人が男に口説かれる。

■第2話・ポン引き
 夫と親友の不倫現場を目撃し、家を飛び出して立ちんぼに混ざった女。

■第3話・豹変
 国連の美しい翻訳者の女を狙う、2人の男の性欲が気持ち悪い茶番劇。

■第4話・スーパー・シモーヌ
 小説家の夫の小説に出てくる非現実的な女に嫉妬し、対抗する女。彼女を見ていると痛々しくて、狂気と普通の境界線など何の違いもなくて泣きそうになる。

■第5話・時限爆弾
 社交界の人気者の女。同じドレスの女を蹴落とそうとする邪悪さ。

■第6話・心中
 世をはかなみ、結婚装束を身につけ、心中することにした男女。二人は無事に自殺することができるのか。

■第7話・雪の日
 若い男につきまとわれる2人の麗しい女たち。どちらにストーカーしているのか二手に分かれはしゃぐ女だったが、ほろ苦く意外な結末が訪れる。

戦後の爪痕を残す、デ・シーカの悲痛な名作の中から滑稽さと輝きのエッセンスを抜き出したかのような楽しい作品だった。
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