ブルーノ

赤い靴のブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

赤い靴(1948年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

 テクニカラーの色彩と豪奢な舞台美術、そして何より画面に映る人が多いこと!編集も大変モダンで、横に素早くパンして宛先の付いた大量の荷箱のカットを挿し込み、そこに汽車の音を重ねることで国をまたぐ編集は素晴らしかった。

 そして何より「赤い靴」のバレエシーン。歌のないミュージカルはサイレント映画のようで、“魔術師”ジョルジュ・メリエスさながらの怒涛の特殊効果に目を見張る。やはりダンスは映画的快楽が高く、スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』には及ばないまでも感動の涙が込み上げてきた。また、物語の内容についても芸術と(家族)愛の板挟みについて描いていたので、スピルバーグの最新作『フェイブルマンズ』が頭をよぎった。

 ただ、最高だったのは「赤い靴」の初演までで、それ以降の展開は蛇足のように感じてしまった。「赤い靴」同様本作のヒロイン・ヴィッキーの死(生命としての死かバレエダンサーとしての死かは判別できなかった)は必要なのかもしれないが、あの展開には少し無理があるように感じた。
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