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A2
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目次

『A2』に投稿された感想・評価

kou

kouの感想・評価

4.5
前作よりより多方面からオウム真理教の地下鉄サリン事件以降を描いた作品で、地下活動化していくオウム真理教と、地元住民との衝突、更には右翼団体との衝突が描かれる。立場の違う人たちが、対話する事なく、相手を知ろうともする事なく排他的に行動する様は、確かに前作よりも加速しているように見える。

各県で勃発する衝突の中で、住民達はオウム真理教という存在の持つ恐怖を、団結して追い出そうとする。しかし信者達はまったくブレる事なく、宗教を信じ続けるのだ。まるで信者の方がブレてないかのように、彼等の方が健気で芯のあるように見えるのは、宗教の強さでもあり恐ろしさでもあると思う。

その中である信者の住む場所では、監視する住民が仲良くなり、普通に話をする。いざその場から離れるとなると別れを惜しむ姿も。これを見て思ったのは、想像の中の恐怖が1番恐ろしく、実際に向き合えば1人の人間であるという事だと思う。ただその人間達がサリン事件を起こしたというのも、また事実なのだ。

終わらない偏見の中で、信者も住民達も自分こそが正しいと思い込む。隔絶する中で歩み寄ることなる終わる今作の現実に前作以上に暗澹たる気持ちにさせる。
これをみると信者たちも結局はただの若者たちで、きっと悪意があってやっていたのではないのだろうと当たり前のことをおもう こういう真面目で優秀な人たちがのめり込んだ先の組織だったり指導者だったりが真っ当で、正しい方向に導いていってくれるものだったらと考えると、とてももったいなかったし気の毒でもあるが、被害者がいる話なのでむずかしい
矢吹

矢吹の感想・評価

3.9
居場所を守る。
住民もメディアもヤクザも警察も。
より己が生きやすくなるために
あれから四年。
この世の中にあるべき映像作品。

メディアとマスコミの頑張りの末に
ある地方では、オウムと住民の壁は無くなっている。
ある一方では、オウム排斥を求める人々。
彼らは、いま、ここ以外に行ってくれればオーケー。
という印象。これすらも切り取られたものに過ぎないけど、そこから思うに、
どこかに移ってくれって願いは
ならどこに行けばいいんだというオウムの状況と照らし合わせて、
もし、その移った先の人たちすらも鑑みてはいないのならば、という点では、
突き詰めると、命令されたらやりますってのと
あんま変わんないんじゃないのかな。
もちろん誰もが融和を求めた先にあるこの事態だろうし。
きっと世の中は大体誰かが何かを諦めることで回るし、諦められないから始まる。

彼らとて死ぬことは許されない。仲間内での自殺は止める。
来世来世と言いながら、
みんな、生きるためにやってることで。
今世をよく生きる、もしくはよく死ぬための来世という概念であって。
何かが必要で、
それは別に弱いとか強いとかじゃなくて、
生まれて生きて、あったかなかったか、
手に入れられたか。ないからこそ求めるでもあって。
マインドコントロールがあるとして、
考え方が変わるのは悪か、敗北か、わからん。
主語がでっかい作品だ。

メガネの女は頭がいまいちで嫌いだけど、
謝罪って誰のためにするのかって議論を迎えて
みんな宙吊りでやめられなくなってる。

何人集まったら?千人集まったら?
一人でも世論?

世間体か、怒りか、環境か、
なにに流されて生きるか。
それにしても
他人を平気で犠牲にできる上に成り立つ思想が
幅きかせられる世界ではない。
命じられたら殺しますは流石にどうかと思うんだけど。
映し出された、自分が生きるために他人を犠牲にできる精神は端々に転がってる。
そもそも誰をも正義としては描いてないっぽい。
とは言え、実際は多数が少数を蹂躙できるかのように見える世界で、
結局は、それを覆せるだけの逃げ道としての説得力がそこにはかけていたんだろうな。
瀬戸内寂聴とケミオを見習ってほしい。

人はそういうよねって。
我々が生きてるのは現世ではないって。
流転の先を見てるんだって。
性欲が一番辛いんだって。
言うけれど、果たして、他の人はみんな現世に生きてるんだろうか。
自分たち以外を現世と定義するだけ。
おれにはわからんし、お前のこともわからん
欲の仕分け。
宗教への執着。

真理なんてこの世にあるかは知らんが、
事実としてあったことはあって。
ワンで示されたのは、丁寧な彼らの破綻と立場であって。ここからが本番だ。

自己都合ありきで、誰かのせいにしてたり。
それ自体が自分の判断だと言われたらそれはそれだよ。
みんなが平等に何かを得るんじゃなくて
みんなが平等に何かを諦めることが
平和。

やはり現実が一番面白いのかもしれない。
エンドもスタートもないじゃん。
ハッピーもバッドもないじゃん。
主役がいないんだからさ。
誰かにとって、は無限にある世界で。
誰かを撮って、その中の一人にカメラを向ける。
そして、撮影者としての自分自身。
撮る責任と見る責任。
おれはそれでなにか解決したとは思わないという森達也。

あいかわらずドキュメンタリーのレビューはろくなことにならない。

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