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呪いの館 血を吸う眼のうにたべたいのレビュー・感想・評価

呪いの館 血を吸う眼(1971年製作の映画)
4.3
「血を吸うシリーズ」2作目。
シリーズ1作目の"血を吸う人形"が好評だったのと、怪奇映画ファンの田中文雄の希望があり、作られた作品です。

タイトルに反し大して血を吸っていなかった前作と違い、本作はガッツリハマーフィルムの影響を受けた吸血鬼ものです。
日本の吸血鬼を題材にした映画といえばまずは「吸血鬼ゴケミドロ」が思い浮かびますが、ゴケミドロで登場した吸血鬼は、スライムのような謎の生命体に身体を乗っ取られていて、自由意志から吸血行為を行っておらず、それと反して、本作登場の吸血鬼は知性を持って、狙いを定めて吸血します。
また、本作の吸血鬼は、棺桶で眠る、鏡に映らない、血を吸われた人は下僕になるなどの特徴があり、まさに和風・吸血鬼ドラキュラと言える作品だと思いました。

ストーリーは結構複雑です。
ある湖畔の村に住んでる姉妹がいます。
主人公はその姉「柏木秋子」で、彼女は幼い頃の記憶のような悪夢に頻繁にうなされています。
そんな折、村に巨大な棺桶が届きます。
棺桶を受け取った男「久作」は、謎の男に襲われます。
一方で、医者をやっている秋子の恋人「佐伯」の元に、首筋に2つ穴が空いた、意識不明の女性が運ばれる。
以降、姉妹の元に様々な恐ろしい出来事が起きる、という展開です。
前作もですが、今作もかなりちゃんと恐怖映画として作られていて、ドッキリするシーンが多々ありました。
シナリオも凝っていて、結構残酷な終わらせ方なのですが、伏線回収がとても丁寧で見やすかったです。

導入だけ入り込めれば、以降は後は中だるみもなく夢中になって最後まで見ることができると思います。非常に良作だと思います。
次回作も視聴が楽しみです。