ゆず塩

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ】
アダムスは、精神病院入院中の体験からユーモアが治療には一番効き目があると信じるようになり、医大に入学する。「患者を治療するため医師は、患者より上の立場の存在だ」と考える教授の考えに反発し、自分の信じる治療を行おうとする話。

【感想】
何というか90年代のコメディ映画って感じでした。ウェルメイド的なのかな? 良くも悪くも大げさにバカなことをやっているように見えてしまった。あ、でも「なんだそれ笑」って感じで笑いながら見てましたので、楽しかったです!

冒頭が精神病院の入院生活から始まるので、『カッコーの巣の上で』でも始まるのかと思ったよ! 全然そんなことはなかったけど!

アダムスの行為に対して「幼稚園の先生」と表現している登場人物もいて、正直同じように思ってしまった。またはお笑い芸人なのかな。自分からは医者に見えない、というのが正直な所。でも「カルテだけを見て、患者の病気だけを見ているような医者がおかしい」というのは理解できる。アダムスの考えや行動はちょっと突き抜けているけれど、変化を起こす人はこういう人なのかなぁって思って見ていました。

ホスピタルクラウン、クリニクラウンについて、ただの道化師じゃないってのをもうちっと客観的または論理的に説明してくれるシーンがあったら嬉しかったなって思ったかも。……でも、活動の開拓者みたいだから、論理とかは後付けというか、後からわかっていったんだろうな。そういう意味で、自分の主観と信念で行動してて本当すごい人だと思う。

牛肉屋さんの集会で演説しているシーンと、ラストの裁判での演説がカッコよかったなぁ。よくああもカッコいいセリフ、面白いセリフがでてくるよ。そこら辺が楽しかったな。

コメディだけど古い考えの医者と新しい考えの医者(アダムス)の対立構造になってるのはナルホドって思ったかな。良い医者ってどんな人だろう、って感じの映画なんだよね。
患者が病気で苦しんでいて、そこを言葉で癒したりするわけじゃなかった。病気の人が「神様は乗り越えられる試練しかあたえない」と言われて元気を出すわけじゃなくて、ユーモアで元気を出す感じ。観客の多くは医者ではないだろうから、「こういう人に治療してほしいよね」っていう見せ方だなぁって思いました。
(病気になっても生きていられる時間を楽しく生きよう……みたいな、そういう患者を鼓舞する系統も期待してたけど、それはなかった。でも、それだと患者より上に立つ感じで、アダムスの考えとは違うものな。
個人的には「死を遠ざけるのではなく、生を高めるのが医者の務め」と言うセリフが好きだが、ちょっと唐突な気もした。アダムスは笑いで本当に病気を改善できると思っている気がしたからなんだけど。で、ネットを見ると、どうやら役者さんのロビンウィリアムズのアドリブらしい。でも、それなら納得。どちらかというと緩和ケアの思想に感じたからかな。クオリティオブライフの精神も重要だと思っています。)
ゆず塩

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