なんという面白さ! 東西ベルリンの間にトンネルを掘って29人を逃亡させた実話(「トンネル29」の記念碑もある)。東側の当局が嗅ぎ付け、残された家族を脅してスパイにしたり、サスペンスとしての緊張感に満ちていて、めちゃめちゃおもしろかった。fil友さんが誰一人観ていらっしゃらなくてどうかなと思ったけれど、これはオススメできます。長尺でずっとドキドキして怖かった。早々と5回目接種で、案の定、副反応で体調崩してしまい、3日かけて観ました。もうほとんど大丈夫だけど、体調万全の時に一気見したかったです。
ネタバレではないのですが、というか、脱出成功の結果は周知ですが、あれだけの距離を掘り進められたのには理由があり、それを知らずに観たので、驚いたし面白かったです。なので、あまり前情報無しでご覧になることをオススメします。
東ドイツの水泳の代表選手ハリーが主役。ベルリンの壁が造られることを知り、親友のマチスが先に下水道から逃げたが、マチスの恋人カロラは捕まってしまう。その後カロラは妊娠していることが判明。ハリーは偽造パスポートで出国できたが、愛する妹ロッテとその家族はできないことを知る。ハリーとマチスは仲間を募り愛する家族のためにトンネルを掘っていく。
家族愛、友情、恋愛、疑惑、いろんな感情や思惑が混ざりあい、当局とチームの駆け引きがあり、緊張感キープできて、ラストの感動もひとしおでした。
ブレッソンの『抵抗(レジスタンス)』の脱獄の緊張感に近いです。
ハリーは実在の人物で、その後「逃亡支援者」(←このような仕事があるとは)になり、千人以上を逃亡させたと、特典付録に出ていました。
警察犬🐕🦺って賢いなあと、ちょっと笑えた場面もありました。
西側にいる東側のスパイが誰だったか最後までわからなかったです。
トンネルは数多く掘られたけれど、ここまで成功したのは珍しいそう。
パスポートを持っていれば、東へ観光だと言って東西往き来できます。但し、東側で不法に逮捕されスパイだと疑われば拷問される危険性もあります。
テレビ映画化された188分の長尺もあるようですが詳細は不明。
鑑賞方法:DVD