Omizu

湖の琴のOmizuのレビュー・感想・評価

湖の琴(1966年製作の映画)
3.3
【1966年キネマ旬報日本映画ベストテン 第4位】
『女中っ子』などの名匠・田坂具隆監督が水上勉の同名小説を映画化した作品。この年のアカデミー外国語映画賞日本代表にも選出された。

物語がどうこうというより、カラー撮影の美しさに全振りした感じの作品。

田舎から琴糸職人のもとに奉公に来たさく(佐久間良子)は同じ若狭出身の宇吉(中村賀津雄)と惹かれ合う。しかし、宇吉が兵役に離れた間に、さくは三味線の師匠(中村鴈治郎)に見出され京都へ行くことになり…

物語としてはどうってことない悲恋もの。なのだが、カラー撮影が凄い。後半の観音(向源寺の十一面観音かな)をめぐる架空の物語など、原色を背景にしたキッチュな色使いが印象的。

まあ正直ここまで長尺にするほどの話?とは思う。終盤は飽きてしまった。演出も冗長でかったるい。

原作ではここまで清純なヒロイン像ではなく、むしろ性に汚れていくヒロイン像のようで、原作者の水上勉はかなり文句をつけたらしい。そのほうが面白かったと思うけどなぁ。

映像はなかなか独特で面白いが、物語は大したことない。まあまあかな。
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