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国際諜報局のメルのレビュー・感想・評価

国際諜報局(1964年製作の映画)
3.8
若きマイケル・ケインを観る。

名脇役のイメージの強い御年84歳のマイケル・ケイン。
彼が30代前半で演じたイギリス陸軍に属する諜報部員ハリー・パーマーは、シリーズ全5作が作られる程本国イギリスでは人気があるらしい。

原作は1961年の小説「イプクレイス・ファイル」で、東西冷戦時代の派手過ぎないスパイもの。

原子力技術の権威ある博士が誘拐され、事件の裏には国際的な営利スパイ組織があって、そこにCIAも絡んできて…というストーリー。

ロンドンの街並みも含め、斜めからのカット、覗き込んだ感じ等のカメラアングルが面白い。

黒縁メガネの奥のマイケル・ケインの瞳、真一文字に結んだ口元。
品行方正とはほど遠い素性だけど、独特なやり方で真実に近づく勘の良さ。

朝から豆を挽きフレンチスタイルのコーヒーを淹れ、材料に拘り料理を作る。そんな所もハリー・パーマーの魅力のひとつ。

プロデューサー、音楽、編集とも007シリーズに携わった人達が手掛けている点も興味深い。
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