スギノイチ

ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚のスギノイチのレビュー・感想・評価

3.5
この映画のベルモンドのクソ野郎ぶりは類を見ない。
「僕は心の美しさを求める。それはブスにしかない」とか言って醜女(ミア・ファロー)に言い寄るわけだが、その妹(ラウラ・アントネッリ)に一目惚れするやいなや速攻で口説きにかかる。
それどころか、ラウラに近づく男を次々と陥れ、事故死に導いたり積極的に殺害したりする。
姑息な暗躍の甲斐あって体の関係を持った後は、「余計な虫がつかないように」と彼女の避妊薬をすり替え、まんまと妊娠させてしまう。
これでは、女たらし映画の金字塔『アルフィー』のマイケル・ケインのがまだマシである。

こんなベルモンドも終盤には痛い目を見るので、艶笑コメディとしてはそれなりに痛快ではあるが、単純なシッペ返しにしないところは腐ってもクロード・シャブロルか。
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