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上海特急のbluebeanのレビュー・感想・評価

上海特急(1932年製作の映画)
3.5
マレーネ・ディートリッヒとアンナ・ウェイ・ウォンのオーラがすごすぎました。美しいのはもちろんなんですが、男性遍歴がすごそうな背景がさらっと説明されることと、その妖艶な演技によって、ミステリアスな魅力が強調されています。ストーリーも演出もとにかく女優のビジュアルを最大限に引き出すために存在しているよにも思えるほどでした。

2023年の『バビロン』に、アンナ・ウェイ・ウォンをモデルにしたキャラが出てきます。あれ似てるな、と思って調べたらやはりそうでした。

舞台は中国ですが、冒頭の、雑踏を前景に列車に乗り込む登場人物たちをロングで撮るシーンとか、機関車が狭い商店街のようなところに敷かれた線路の上を、人や動物をかき分けて進むシーンとか、なかなか異国情緒が溢れていて楽しく観れました。

男女の恋愛の描かれ方もなかなか良いです。別れた後の数年でお互いいろいろあった後の再会、という複雑で緊張感のある関係性がうまく出ています。ストレートに愛を伝えないが、ディートリッヒの仕草から思いが溢れてくる様子がすごく良いです。もうオーラがすごすぎます。

いろんな国のいろんな職業の人が乗り合わせて交流し、目的地でまた別れていく旅情感のような雰囲気も好きでした。

冒頭、手前に人混みで奥にピント
バビロンのアンナウェイウォン
商店街の中を通るところ、牛と鶏、ダージリンを思い出す
女優陣のオーラがすごい
助けたと言わずに純粋に愛を測るのが乙
振り返る演技、手が震える演技
異国情緒
出会って別れる旅の良さ
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