COZY922

孤高のメスのCOZY922のレビュー・感想・評価

孤高のメス(2010年製作の映画)
3.8
” 彼のメスには野望も邪心も無かった。” 脳死移植がまだ認められていない時代の肝移植。医師として、ただただ目の前の患者を救いたいという、静かで熱い情熱が伝わってくる映画でした。医療に関する倫理や法整備の問題は難しいし、専門家でもないのに安易なことは言えないけれど、名声や医療現場での政治まがいの駆け引きなどには目もくれず患者を救うことに全力を尽くす主人公に、純粋に惹きつけられました。命と向き合う仕事は本当に重いという当たり前のことをつくづく感じます。想定外の出来事も派手な演出も無いので、医龍やドクターXなどの医療ものを見慣れた人は、淡々とした展開を退屈に思うかもしれませんが、個人的には、派手でないところが逆に良かったです。ありがちな展開なのに心に沁みました。堤慎一、安定感があって見てて落ち着きますね。ちょっとカッコ良すぎでしょ。夏川結衣、余貴美子など脇を固める俳優陣も素敵でした。これはフィクションだけど、どんな執刀医に当たるかによって生死が左右されることは現実にあるわけで、そう考えると怖くなります。すべての医師が患者のことを最優先に考える医師であってほしい。
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