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妖星ゴラスの堊のレビュー・感想・評価

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
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「ほしいやつだけがほしいのがサラリーってもんや」。『巨人と玩具』な銀座がたまんねー!本多猪四郎は徹底して60年代の東京を怪獣のいる風景として定着させようとしている。「ありがとう」と抱き寄せるが何も言わない、この発話の雰囲気とリズムも本多猪四郎。人と怪獣がわかり合うことができないように、今作ではもちろんゴラスと人類が、人と人とが互いに言葉を交わすことがない。ほとんど『エヴァQ』(てか絶対そう)な特撮が何よりも嬉しい。特撮が特撮の身振りをしていないほんとうのものだったことを感じさせる冒頭がなにより素晴らしい。本多猪四郎ってどこか鼻で笑われるような監督だった気がしていたけれど最近はどんどん認識が新しくなっている。
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